さようならブリュッヘン。1934-2014

リコーダーを吹くブリュッヘンと彼のサイン
指揮者でリコーダー奏者のフランス・ブリュッヘンが8/13日、アムステルダムで亡くなりました。

これはブリュッヘンとその仲間の演奏。

ニューヨークでは一度だけ2007年8月にシューベルトの8.9で実演を聴くことができました。ブリュッヘンは、今となっては珍しくありませんが、時代の遍歴の中で常に変化し続けるモダン演奏に対し、チェンバロ奏者の故レオンハルト、チェリストのビルスマらと共に作曲当初の音のイメージを忠実に再現しようとするピリオド奏法を切り開いていったクラシック演奏のパイオニアの一人で、今から20年以上前に初めて彼の演奏を体験した時、同じベートーベンにせよハイドンにせよベルリンやウィーンの演奏で慣れ親しんだ自分の感覚には作曲された当初の息遣いがあまりに新鮮に伝わってきて、この音の感触を永遠に忘れたくないと思ったことを今だ覚えています。

20世紀から現代に至るクラシック音楽のトレンドは、彼と彼の仲間たちからたくさんのバラエティが生まれ、音楽ファンを魅了し、今となってはそのスタイルを受け次ぐ演奏者たちの手によって世界の至る所で彼が人生を費やし発見し、驚き、楽しみ、そして実践して来た演奏を楽しむことができます。彼の演奏は素朴で無欲で、そして、自分の信じる音楽の本質を心から見つめ続けた人柄が伝わってきます。だからこそ、自分が生涯音楽を楽しんでいくために、これからもブリュッヘンの演奏を聴き、音楽を愛する彼の心に触れていきたいと思います。R.I.P.




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